大きく長い飯豊山 日本百名山 その６０

　「飯豊山は花のきれいな大きな山だよ」と聞いていた。

　川入の御沢キャンプ場まで車で入りキャンプ。蛍の飛ぶ夜をすごす。

　深い樹林帯の中を登り地蔵山の山腹を抜け、小屋のたつ三国岳へ登る。ここから見通しのきく尾根道を辿り切合小屋に着き一息いれる。草原や岩稜や砂礫の山稜を登り降りが続く、振り返るとはるかに三国岳から延々と尾根が続く、長い路のりを歩いてきた。疲れた足で急な岩礫の斜面を登り一の王子に辿り着く。

　少し下ると水が湧き出している素晴らしく美味い水。風をよけてテントを張り、一人が飯豊本山の小屋までビールを買いに行ってくれた高価なビールで乾杯。

　飯豊本山の神社に手を合わせ、ニッコウキスゲの咲く草原を歩き御西岳に着く。大日岳へ行くつもりだったが、思ったより時間を要することがわかり、ここで引き返すことにする。来た路を戻り一の王子でテントを撤収し、長い尾根路の登り下りを繰り返す。

　三国岳手前で、尾根から転落した人がいてあわただしい動き、へりでの救助の一部始終を目撃。

　最後のくだりで一人が足をとられ顔面から岩に突っ込み打撲と裂傷、ヘリが必要なのは我々だった。

　飯豊の湯の大広間を三人で占有して宿泊、痛みをこらえる怪我人に同情しながらビールで乾杯。

 　　　　平成１４年７月２８日～２９日　飯豊山　日本百名山その６０

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