雨と風の幌尻岳山頂 日本百名山 その89 [日本百名山を訪ねて]
羅臼岳を登ったあと、陸別や足寄などなどの町や村をとおり、見知らぬ道や まわりの景色を楽しみ、富良野の畑道や丘から十勝の山なみを眺めたり、キャンプ場や道の駅に車を停め、気のむくまま一人旅。
幌尻岳へ向かう日は朝から陽がさした。早発ちする必要もなかったが、気は幌尻岳にむいていて、朝起きるとすぐ占冠の道の駅を発った。
国道から折れて幌尻への道に入る、ほどなく舗装道路が終り、荒れた林道を走る。地図の位置よりかなり手前にゲートがありこの駐車スペースに車を置く。
のんびり歩くつもりではあったが、額平川沿いの林道を一人歩いていると 足運びがいつか早まる。 はじめの渡渉箇所に着き、履き古した運動靴に履き替え、ズボンの膝下を外し半ズボンにする。汗ばむ陽射しの下、水の中を歩くのは爽快。膝下くらいの渡渉を繰り返し、側壁に落ちる滝を見て、川原で休み、水の流れを眺め、深い樹林に囲まれた渓谷を歩く。
昼過ぎ幌尻山荘に着く。 川原の岩に横になったり 小屋の前に敷かれたシートに寝ころび 樹林の上の青い空を眺めて時間をもてあます。
山を下りてくる人、登ってくる人達が小屋に着きはじめる、ガイドつきのツアーで来る人達やお年寄りの人達も多い。
朝、皆さん暗いうちから起きだし登山準備をはじめる、遅ればせながら外へ出ると雨。
出遅れたかなと思い雨支度に傘をさして小屋をでる。すぐ樹林帯を登り、前を行くご夫婦に追いつき挨拶をして先にでると、前を行く人はなく雨が相手の一人旅。命の泉などというところをすぎ、はい松や潅木の尾根を急登。木の枝が触れ傘をさしたり閉じたり。潅木帯を抜け草原の尾根路となる。
・・このあたりは日高の山々を望み、夏には足元に花々が咲いているところなのだろう・・が。
すでに黄色に変わった草原は雨にぬれ、風が吹き付ける尾根を辿る。
幌尻岳山頂へ着く。
日高山脈の奥深くカールを従えた幌尻岳に逢えると期待していたが、山頂は雨と霧に閉ざされ風が吹きぬけていた。
風を避けて新冠ルート分岐まで下り一息。
雨の中 次々と登ってくる人達とすれ違いながら幌尻山荘へ戻る。
靴もズボンもそのまま、額平川を下る。
時間をもてあました青空の昨日、もう少し早く来て山頂に登り、下りに小屋へ泊ればよかったかな。などと思いながら 雨はやんだが疲れた足にはいささか長い林道を戻る。
平成20年9月2日~3日 幌尻岳 日本百名山その89
幌尻岳にかぎらず雨や霧の山頂に立ったことは多い。また登りに行きたい山もあるが、もう行かない山もある。
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